光と陰のアンソロジー この世界にただ独り立つ 平川恒太 山本草介 外山恒一
社会には光が当たり人々の注目を集める出来事がある一方で、光を遮られ陰となりほとんどの人が知り得ない出来事もあります。多くの場合、両者は表裏一体の関係にあり、ここに一石を投じる行為はときには孤独をもたらします。社会問題を扱った近代劇の創始者とされるヘンリック・イプセンの代表作のひとつでもある『民衆の敵』の主人公は、人々から非難を受けながらも地域の未来を見据えて自分が正しいと信じる行動をとり続け、心配する家族に自信を持って「世界で一番強い人間はただ独り立つ人間だ」と伝えました。この言葉をサブタイトルに据えた本展では、社会での出来事を独自の視点で捉え、それぞれ異なる手法で人々に伝える三人の表現者の新作や関連資料などを展示します。なお、山本草介の展示については山本の旧友であり個性的な活動でも知られる天草在郷美術館を主宰した美術家の加藤笑平、外山恒一の展示については熊本市現代美術館の佐々木玄太郎学芸員と所属館の協力により実現しました。
また、近年はICOM(国際博物館会議)でも美術館や博物館も現代社会が抱える様々な課題(多文化共生・ジェンダー・ LGBTQ・貧困・紛争・環境破壊など)に積極的に関与すべきだとの考えが広がっています。本展の開催は、三者三様の主義主張につなぎ美術館が全面的に賛同することを意味するものではありません。しかし、歴史や社会に対する様々な考えを含むこれらの作品や関連資料を同時に展示する本展が、弁証法における高度な発展的統合を目指した思考を導き、より良い社会を築くための新たな方策の創出につながることを期待しています。
■関連イベント
●オープニングトーク
日 時:9月10日(土)14:00〜15:00
ゲスト:平川恒太 山本草介 外山恒一
会 場:1・3階展示室
定 員:20名(申込不要・当日先着順)
●水俣湯出七滝森の茶会
日 時:9月11日(日)・11月13日(日)15:00〜16:00
ゲスト:平川恒太 大塚佳寿子(ティーソムリエ)
会 場:喫茶室
定 員:各日6名(要予約・先着順)
参加費:1,000円(お茶代とお菓子代を含む)
●トークセッション
日 時:10月15日(土)14:00〜16:00
ゲスト:第一部
外山恒一
佐々木玄太郎(熊本市現代美術館学芸員)
加藤笑平(美術家)
第二部
外山恒一
佐々木敦(思考家)
モデレーター:楠本智郎(つなぎ美術館学芸員・本展企画者)
会 場:つなぎ文化センター(つなぎ美術館向かい側)
定 員:50名(申込不要・当日先着順)
参加費:無料
※内容が変更になる場合は公式ウェブサイトとSNSでお知らせします。
URL:https://www.tsunagi-art.jp/event/668/
画像2: 平川恒太 Grey シリーズ習作 2022 年 作家蔵 参考作品 画像3: 山本草介 島の電気屋家族の記録(映像部分) 2014 年 作家蔵 参考作品 画像4:外山恒一 活動風景 2017 年 写真 : 織田曜一郎
会場 | つなぎ美術館 https://www.tsunagi-art.jp 〒869-5603 熊本県葦北郡津奈木町岩城494 ・肥薩おれんじ鉄道・津奈木駅から徒歩10分 ・南九州西廻り自動車道・津奈木I.C.から車で3分 ・JR九州新幹線・新水俣駅から車で10分 ※Googleマップの仕様により場所名が異なって表示される可能性があります |
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入場料/料金 |
有料 一般:300(250)円 |
お申込み | 事前申し込み不要 |
お問い合わせ |
つなぎ美術館 TEL 0966-61-2222 |